ことしの春闘がスタート。賃上げの勢いが定着するかが焦点となる中、パートやアルバイトの人たちが業種や職場の垣根を越えて一緒に賃上げを訴える非正規春闘の取り組みも始まった。物価高などを背景に非正規春闘に参加する労働組合は年々増え、ことしは28に。約4万人がそれぞれの勤務先に一律10%以上の賃上げを要求する方針。非正規雇用の人は労働者全体の4割近くを占め、非正規雇用の月平均賃金は正規雇用の67%にとどまっている。去年の非正規春闘では賃上げを求めて117社に要求書を提出したが、70社で賃上げが実現した一方で47社からは賃上げの回答が得られなかった。賃上げが進まないうえに物価高も加わり、非正規雇用の人たちからは生活の苦しさを訴える声が上がっている。出版関連の物流倉庫で非正規労働者として働く男性に話を聞いた。非正規雇用への賃上げの波及について、大和総研シニアエコノミスト・神田慶司さんは「難しい仕事をするからこそ高い賃金をもらうという循環を同時に作っていく必要がある」と指摘する。