関税措置をめぐってアメリカと協議を続ける中国で、経済や貿易の面でアメリカとの関係を見直そうという動きが進んでいる。アメリカとの持久戦に向けて中国が進めてきた備えの現場を取材した。中国はアメリカ依存からの脱却に向け戦略的に産業転換を進めてきた。その1つが半導体などの先端技術の強化。また、アメリカ抜きでも持続的に成長するため輸出先の多様化も強力に推し進めてきた。中欧班列の貨物列車の運行本数はアメリカが対中関税を引き上げる前の2017年と比べ5倍以上となっている。成長が続く東南アジアへの輸出拡大にも布石を打ってきた。輸入でもアメリカに頼らない戦略が進められている。大豆の輸入について、ブラジルからの輸入を拡大し2024年にはアメリカの割合は21％まで低下した。また中国政府は農家に補助金を支給し大豆の自給率の向上も進めている。