台湾総統線は与党・民進党の頼清徳氏が当選。2000年以降、2期8年ごとに政権交代してきた。3期連続は初めて。今回、野党は1本化に向け歩み寄るも決裂。勝因は蔡英文政権の継承を強調してきた点にあるとみられる。一方、立法院の選挙では民進党が議席を失い単独での過半数を失った。最大野党の国民党も過半数に届いていないため、民衆党の動向がカギとなる。中国は民進党が勝利したことで、中国の政治的意図が有権者に見透かされた可能性がある。台湾への軍事・経済的圧力はこれからも強まることが予想される。だが課題を抱え経済回復は思わしくなく軍高官が相次ぎ失脚し動揺が広まっていることから直ちに大規模な軍事行動は可能性は低いとみられる。アメリカは対中関係をどう安定させるかが台湾情勢の大きな焦点となる。日本は東アジアのため台湾の民主主義を指示する姿勢が問われる。