中国軍が台湾を取り囲む形で軍事演習を開始したことに、台湾国防部は「台湾と中国の関係が好転することを妨げるだけでなく、インド太平洋地域の安全状況を深刻に破壊し、国際秩序を脅かすものだ」と厳しく非難した。その上で兵力を配備すると同時に、認知戦や分断工作に対しても注意を呼びかけている。また台湾が実効支配する離島・馬祖島周辺の海上では、日本時間の早朝6時に中国海警局の船舶2隻が確認されたとして、台湾の海上保安当局が警戒を強めている。台湾国防部は間もなく、日本時間の午後6時から中国軍の軍事演習を受けて、記者会見を行うとしている。一方、台湾を取り囲む形での軍事演習はこの2年で4回目で、前回は頼清徳総統の就任直後である5月に行われたばかり。そのせいか、中心都市の台北は平穏で特に変わった様子は見られず、市民の受け止めも極めて冷静。市内で働く30代の男性は「慣れるということはないが、緊張ではなく、気になるというか気に障る」と話していた。