台湾・頼清徳総統が外交活動を本格化させている。台湾への圧力を強める中国を念頭に自由と民主主義の重要性を訴えた。マーシャル諸島はアメリカ側との過去の協定により国防の責任をアメリカに委ねている。米国が最大の後ろ盾という点は台湾も同じ。今回の外遊では、米国の領土であるハワイとグアムの2か所を経由地として太平洋諸国で台湾と外交関係のある3か国を歴訪する。就任後、初の外遊で頼総統が意識したとみられるのがトランプ次期大統領。最初に訪れたハワイでの座談会では「台湾はアメリカと協力してインド太平洋地域の平和に貢献している」と強調。防衛費の負担をアメリカにまかせっきりにすることを嫌うトランプ氏を意識した発言。さらにビジネスの面でも「半導体などのハイテク産業で台湾は世界の供給網に積極的に貢献。信頼できるパートナーとしての台湾の戦略的重要性を示している」とした。念頭にあったのは「台湾がアメリカの半導体ビジネスを奪った」とする発言だった。トランプ次期政権を見据えた動きを強める頼総統。こうした動きに中国側は反発していて、今週末にも軍事演習を実施する可能性が指摘されている。