- 出演者
- 池上彰 児嶋一哉(アンジャッシュ) 山下リオ 高島礼子 ウエンツ瑛士
中国人民解放軍がSNSに投稿した画像。高市総理が開けたのはパンドラの箱。投稿には高市総理が世界に災いをもたらそうとしているのか問わねばならないとしている。高市内閣発足から約1か月、高市総理の発言をきっかけに日中関係は悪化。池上彰は渦中の台湾へ。
池上彰は渦中の台湾へ。サイバー攻撃の危機を回避すべく戦う企業を取材。中国、ロシア、北朝鮮、国境の街。北朝鮮レストランに潜入。
オープニング映像。
高市早苗総理に立ちはだかる見えない壁がある。習近平国家主席との間には台湾有事の壁がある。高市総理の台湾有事をめぐる発言に中国側が激怒していて、対抗措置をとってきている。中国の対抗措置は、日本への渡航自粛呼びかけ、留学の自粛呼びかけ、水産物輸入の事実上停止を発表。日本映画・日本人アーティストのイベント延期が中止となるなど影響が出ている。
中国国営中央テレビによると、中国の李松代表は高市総理が非核三原則の見直しを否定していないとIAEA理事会に問題提起しつつ、日本が再び軍国主義の道を歩もうとするなら国際社会は決して許さないと主張した。李松代表は日本が民間の需要をはるかに超える量のプロトニウムを貯蔵していると指摘し、厳重な管理が必要だと訴えた。王毅外相は日本の軍国主義が再燃することを決して許さないと強調した。
中国側は今回の発言について、日本による内政干渉だと受け止めている。専門家は中国人にとって日本による侵略と言わざるを得ないと指摘。中国の政府見解に沿ったものだともみられる。中国は今年抗日戦争勝利80周年の年で、中国共産党が日本の侵略に打ち勝ったというナラティブを1年かけて世界に発信してきた。その矢先の高市総理の発言だった。
高市総理は南アフリカで開催されているG20で中国の李強首相と接触するのかが注目されている。中国側は立ち話すら自制も日本側に伝えている。高市総理は台湾有事に関する答弁は何も変わりはないとし、撤回する考えはない。事実上の水産物の輸入停止そち など日中経済交流への影響は解決したい考え。総理周辺は中国のプロパガンダに利用されるのだけは避けた方がいいとの意見もある。
ウエンツ瑛士は日中双方の立場があって、どういう形でお互いの立場を理解するのかを学ぶのかが大切だと感じると話した。日本経済新聞の編集委員・中澤氏は、中国の学生の雰囲気は全く反日デモが起きるような状況にはなっていない、中国のデモは官製という側面がある、反日デモを容認するからやってもいいという雰囲気は中国政府は出していない、これが現在起こっていることの寸止めだと思う、国内の実態経済の直接打撃になることはやりたくないのが中国政府の本音だと思うとした。
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- 日本経済新聞社
高市総理の台湾有事をめぐる発言。キーワードは「戦略的あいまいさ」。安倍元総理も台湾有事は日本の有事だという発言をしている。これは安倍元総理が総理をやめた後だったが中国は猛抗議してきた。歴代総理はこの問題にあえてあいまいにするという態度をとってきた。高市総理の答弁は野党からの追及で発言をせざるを得なかったという指摘もある。池上彰はわかりやすくしようとした結果がこういう事態になったと指摘。そもそも台湾有事は本当にに起きるのか?
池上彰が渦中の台湾にやってきた。台湾有事は既に始まっているという声もある。今年4月に中国人民解放軍が公開した映像、戦闘機や爆撃機などが狙うのは台湾。挑発的で爆撃のCG映像まである。台湾のドラマ「零日攻撃」は台湾有事の直前を描いた作品。池上はネットによる分断を防いでいる場所「台湾ファクトチェックセンター」を訪れた。2018年にメディアやジャーナリストなどによって作られたと非営利団体でSNSなどの情報の真偽を分析している。グレーゾーン作戦で台湾の人々の考え方や判断に影響を及ぼしているから台湾有事は既に始まっていると言えるという。グレーゾーン作戦とは武力以外の攻撃で社会を分断し敵を弱体化させること。台湾で2020年に施行された反浸透法は事実上中国による政治介入や社会への影響を及ぼす工作を防ぐための制定された。去年、中国が関係したとされるスパイ工作で起訴されたのは64人、うち43人が軍関係者だった。台湾軍の元幹部も起訴され、懲役7年6カ月の判決を受けた。池上は中正記念堂にやってきた。ここは軍の幹部だった人物が集会を開いた場所。集会の目的は台湾軍政府を作ること、中国が台湾に軍事侵攻した際に台湾で協力する武力組織。高安国元中将は台湾で臨時政府を成立させ中国と統一を果たすことを画策していた。中国から約1600万円の資金提供を受けていたとみられる。今、中国は独立を訴える台湾の12人を制裁対象としていて逮捕もできるとしている。そのうちの一人・沈伯洋氏を取材。沈氏はネット攻撃は実際の戦争と変わらない、中国はグレーゾーン作戦が得意、相手には平和だと思わせて実際には戦争行為を行っていると話した。
中国からの圧力が強まる中で台湾では、どう安全を守りべきなのかという点で民間の防衛意識が高まってる。台湾では公共施設や6階以上の建物などには防空避難設備の設置が義務つけられている。年に一度大規模な防空避難訓練が実施されている。2021年に設立された黒熊学院。創設者の一人は沈伯洋氏。軍攻撃などから命を守る教育を行う戦闘の現場を想定したリアルな訓練を行っている。この日は救護活動についての講義が行われていた。受講生は延べ10万人と盛況。台湾総統府で国家安全諮問委員の黄重諺氏にインタビュー。大統領府報道官や蔡英文総統室長など要職を歴任し、現在も頼清徳総統を支えている。所属している国家安全会議の仕事は認知戦対策、政治全体の戦略的な意思疎通をはかること。認知戦とは世論や政策決定者などの対し影響を与えることで行動をコントロールする戦略。認知戦は主に中国からのものに対応している、台湾を内部から分裂させたり、友好国との間に相互不信をもたらそうとする動きに対応しているという。毎日、中国からの偽情報を1日1万個以上確認しているという。台湾有事は既に始まっているか?との質問に、社会を分断させほしいものをほしいままに要求する意味では台湾だけでなく世界中で有事は既に始まっていると思っていると話した。
台湾有事を巡り中国側の主張は、台湾に中国のスパイ組織・工作員の存在があり台湾の与党・民進党の捏造だとしている。中国によるネットを利用した民衆分断工作についても、台湾の与党・民進党の捏造でありそのような工作は行っていないとしている。台湾軍の元中将の有罪判決については、台湾の与党・民進党は中国との統一を主張する組織や人を迫害していると主張している。
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高市総理と北朝鮮、中国、ロシアとの間に立ちはだかる壁は「権威主義国家」の団結。中国政府は9月3日を抗日戦争勝利記念日としていて、軍事パレードには習近平国家主席、プーチン大統領、金正恩総書記が一同に介した。3か国の首脳が集まったのは66年ぶり。アメリカを中心とした西側諸国に挑戦状をたたきつけたような印象。ロシアと中国と北朝鮮の国境にあるのが中国の琿春市。
中露朝3か国の国境の街、中国・琿春。2022年にできた東北アジア国際商品城。売り場にはプーチン大統領の写真。看板には3か国の旗が描かれていた。両国から輸入されたものが広く流通している。市場で売られていたのはタラバガニ。ロシア産は年々増えていて、その玄関口となる琿春は中国のタラバガニの都と呼ばれている。国連制裁で禁輸措置の対象品目となっている北朝鮮の水産物も売られていた。9月の軍事パレード以降、観光客が増えたという。ヴォストークハッピーアイランドはおととしに開園したロシア風のテーマパークで政府が支援し約130億円で建設された。冬の最低気温はマイナス20℃近くになるため10~4月は休園する。開園から3回の夏で延べ40万人が訪れたという。街にはロシア人観光客もいる。中国は9月15日からロシアの一般旅客所有者に対するビザを免除している。ロシアからの観光客にとってモノの安さも魅了の一つ。経済政策でEUなどに輸出できないロシアは液化石油ガスを中国に輸出している。ロシアのLNG大手が中国に対して3~4割引き下げて販売しているとの報道もある。中国とロシアを結ぶ新たなゲートができ、既存のゲートの3倍超の貨物量に対応が可能となった。
ロシアと中国、北朝鮮が接近している。池上彰はロシアがウクライナに軍事侵攻して経済制裁を受けたら2か国が頼みだということが分かった。今回は北朝鮮と接する中国の丹東市を取材した。その映像の分析を公安調査庁 の瀬下政行氏に依頼した。
北朝鮮と接する中国の丹東を取材。約600mで北朝鮮の丹東は人気の観光地となっている。去年4月に取材したときにはなかったが10階建て以上のビルが建ち並ぶようになった。公安調査庁の瀬下氏は見せるためと見せないためという2つの目的があると指摘。北朝鮮の社会主義は発展しているのをアピールするのと、中の様子を見せないためだという。北朝鮮の国境沿いでは重機や作業員、兵士のような人もいる。瀬下氏は北朝鮮の社会安全省・警察ではないか、情報統制をしているという。国民の生活や思想を厳しく統制している北朝鮮、外部からの情報流入に目を光らせているという。夜、丹東の北朝鮮レストランを訪れた。すると、北朝鮮の店なので日本人、アメリカ人、韓国人はダメだと言われ入店を拒否された。国籍を聞かれない北朝鮮レストランを探してみるとこの日は満席で翌日の予約をとった。店に入ることができ、接客してくれたのは北朝鮮から派遣された女性だった。金正恩総書記は2024年1月に南北の和解路線を捨てて韓国とは同胞ではなく敵対的な国家関係であることを宣言した。
9月の軍事パレードで習近平国家主席とプーチン大統領が雑談で話していたのが、「永遠の命」についての内容だった。
日本で被害が拡大中のサイバー攻撃。1分間に日本へのサイバー攻撃は約600万回。主なサイバー攻撃はKADOKAWA、サイゼリヤ、アサヒグループホールディングス、アスクル。
池上は悪のハッカーと戦う集団「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」を訪れた。ホワイトハッカーとは悪のハッカーと戦う守りの技術者でGMO社は約2000社のセキュリティーを担当している。24時間監視し、企業が攻撃を受けたらブロックして感染が広がるのを防ぐ。ランサムウェア攻撃での身代金支払いは日本は約30%、アメリカは約80%、ドイツは約90%。こちらにはホワイトハッカーが約200人いる。顧客にサイバー攻撃があったときにセキュリティーの弱い部分を見つけ出すチームに実演してもらった。イエラエには企業に侵入し脆弱性をあぶり出すチーム「レッドチーム」もある。ニセの社員証は特殊な機械で作る、大企業は社員同士に面識がなく場合が多く侵入しやすいという。悪意のあるソフトウェアが仕込まれたBadUSBを可能な限りPCに差し込んでいく。PCを起動させるとハッキングが成功となる。感染すると遠隔操作ができるようになり、盗み撮りもでき、重要ファイルの抜き取り・消去・暗号化が可能になる。出入り業者になりすます侵入方法もある。チームに社内の様子を共有し、LANケーブルに小型コンピューターを差し込む。中途採用を利用する侵入方法は、中途採用希望者のふりをして人事担当に連絡し、面接を受ける。その後、履歴書を修正したとのメールを送り、メールを開くとシステムに侵入が成功となる。
約80%のサイバー攻撃はパスワードの管理やセキュリティソフトで防ぐことができるという。
