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「食道炎」 のテレビ露出情報

2023年12月。ある町の片隅にある古びた団地。母と2人で暮らす息子はこの部屋に引きこもって37年になる。8年ぶりに彼を訪ねた。52歳のまさきさんと母・よしこさん。長年、まさきさんを支えてきたよしこさんは79歳になった。家の中は37年かけて集めたもので足の踏み場もない。長らくうつ病を患い精神科で処方された薬が手放せないまさきさんは1日のほとんどをテレビの前で過ごす。何かしないとという思いと何かするのがつらいという感じがあると話す。お母さんは以前と様子が変わった。半年前にこの家で倒れて救急車で搬送させた。誤嚥性肺炎で1週間意識を失い生死の境を彷さまよった。回復したものの、今度は足を痛めてしまい思うように家事ができなくなった。まさきさんは買い物も料理もできず、今はヘルパーさんに買い物に行ってもらっている。家計はお母さんの年金とまさきさんの障害年金で賄っているが、年々苦しくなっている。もう長いこと2人は外に出ていない。
親子にはじめてあったのは12年前。その頃のお母さんは息子を外に出したいと一生懸命だった。何かのきっかけになればと取材をうけた。このときまさきさんは引きこもって27年。他人との会話も久しぶりだった。1日中家にいるまさきさんは近隣の音に敏感で周囲の目や音が気になりはじめると何もできなくなってしまう。19791年生まれのまさきさんは両親と姉の4人家族。船乗りだった父は家にはほとんどおらず、お母さんが家庭を守っていた。足が速くクラスの人気者でサッカー選手になるのが夢だった。しかし、中学2年のときに膝を痛めてサッカーを断念、人生は一変する。落ち込む日々の中で学校でのいじめが始まりひどい暴力も受けた。15歳のまさきさんは学校に行かず家に引きこもるようになった。お母さんは息子を何とかしようと駆けずり回ってきた。まさきさんを連れ出して5時間かけ、廃校になった小学校で家族と自給自足の生活をしている共育学舎の三枝さんを訪ねた。ここでは生きづらさを抱えた若者を無償で受け入れている。ゆっくり人生に向き合う時間を過ごしてもらう。まさきさんはパン作りをするみんなの中に入っていった。家では何もしないまさきさんが手伝いをはじめた。帰ってきたまさきさんは辛い記憶の残る母校の中学校を訪れた。あの頃の気持ちが蘇ってきて、まさきさんは新しい運動靴を買った。
2015年、3月。まさきさんは10キロマラソンに挑戦した。マラソンを走りきったまさきさんは外に出るようになった。近所の畑仕事を手伝ったり、福祉作業所を体験してみたりした。しかし、作業所の人たちと話していたときの心無い言葉がきっかけでまた外に出られなくなった。2024年7月、記録的な猛暑が続いていた。お母さんはまた誤嚥性肺炎になってしまうのではないかと気が気ではない。そんな2人を見かねて訪ねてきたのはまさきさんのお姉さん。お母さんの体調を治さなければとお姉さんが病院に連れていってくれた。食道炎と診断され様子をみることになった。身体が思うように動かせなくなったお母さんにとって、この頃我慢できないことが出てきた。家中を埋め尽くすまさきさんの荷物。親子の話題は近所で話題のゴミ屋敷について。まさきさんにずっと言えなかったお母さんの心の叫びを伝えた。ついにまさきさんは家を片付けることにした。荷物の整理は長く苦しかった日々を振り返ることでもある。

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