沖縄・首里城を蘇らせるための復元工事が2022年からスタートしている。朱い壁が印象的な正殿の復元に携わっているのは全国から集まった宮大工たち。豊富な知識と経験を積んだ熟練の宮大工に混ざり、かんなをかける若い職人がいた。宮大工になってまもなく3年目をむかえる小松優喜さんだ。宮大工は日本の伝統的な木造建築である神社や寺などを専門に建築や修復を行う大工だ。首里城復元は国が沖縄県と連携してすすめる一大プロジェクト。2019年10月、首里城で火災が発生し、正殿を含む建造物や美術工芸品などが消失した。保険会社が算定した損害額は80億円以上。それよりも沖縄の人を落胆させたのは首里城は沖縄の歴史そのもの。そのシンボル的な存在を失ってしまったということ。琉球王国は約450年間、アジアの国々と交流し独自の文化を発展させた。復元工事は2026年秋頃の完成を目指し、進められている。現在正殿の復元に携わる宮大工は35人。そのうち20代の宮大工は数人だ。小松さんは正殿の屋根などに使用される木材の加工や各部材をどのように削るかを示す墨付けと呼ばれる作業を主に担当している。首里城の顔とも言える屋根の部材の加工は緊張する作業だという。独特なカーブを描く部材を電動カンナで整えていく。ミリ単位の調整が求められる。小松さんが仕上げた部材をすぐさま宮大工が組み立てていく。徐々に形になっていく姿を休憩中に見るのが楽しみだという。そんな彼女をそっと見つめる人がいる。
住所: 沖縄県那覇市首里金城町1-2
URL: http://oki-park.jp/shurijo/
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