今回の自民党総裁選について解説。今回立候補した候補者は「政治とカネ」と問題への直接の言及はなかった。ただ「党改革、政治改革」といったことを明言し、党に対する国民の信頼を回復すること喫緊の課題になっていることを示している。また、制作活動費・政党交付金のあり方に言及する候補も多かった。また政治資金の不記載があった議員への今後の対応に言及した候補もいた。今後国会議員票を見通すのは困難で、推薦人が20人いることから自民党の国会議員の約半数の票が分散することになる。また推薦人にならなかった議員も現状誰に投票するかを決めかねているケースも多く、1回目の投票で当選者が確定するのは困難とする見方が出ている。さらに1・2位の組み合わせを予想することも難しく、党員投票が結果に大きく関わると見られる。さらに今回は派閥の多くがないことから、各候補者による票の奪い合いが熾烈になると見られる。党員投票の予想も容易ではないが、自民党指示層の支持率では石破氏・小泉氏が拮抗した状態である。また自民党議員からも同様の反応が見られているという。議員票の分散は党員投票が結果に大きく関与することを示し、各陣営にとって党員票をどう獲得するかが鍵となる。今後、1年位内に衆院選がある中で、総裁選では経済政策など外交など充実した論戦が行われるかが注目点となる。