全国で4番目に小さい高野町消防本部は、世界遺産に登録されている高野山がある高野町の防災を担う。世界遺産の高野山は標高約850メートルに位置し、高野山真言宗の総本山・金剛峯寺を中心に117の寺院が集まり、2023年には140万人の観光客が訪れた。高野町消防本部の職員はわずか22人で、一人一人が業務の多くを担っている。2年目の消防士・寺下涼花さんは、大学で救急医療を学んだ。しかしここでは、病人やけが人を病院に搬送する救急活動だけでなく、事故や災害現場で人命を救う救助活動も担い、火災現場に駆けつけて消火活動も行う。消防士に求められる体力を養い、専門的な高度な知識や技能を高めるための訓練に日々取り組んでいる。高野町ならではの独自の訓練では、寺の名前と場所をクイズ形式で学び、初動の対応力強化している。金剛峯寺では毎年消防本部と連携した訓練を実施している。初期消火を担うのは金剛峯寺の僧侶や職員。国の重要文化財「御影堂」には、水の幕で覆って延焼を防ぐ放水設備も設置されている。インバウンドで増える外国人観光客に対応するため去年9月、外国人からの救急要請に対応するため英会話を取り入れた訓練も行い、高野町観光振興課に勤めるアメリカ人のパトリック・オニールさんが講師を務めた。高齢者などの見守り活動の一環として、救急救命士が自宅を定期的に訪問して健康状態や生活状況などをチェックする取り組みを今年から新たに始めるという。
住所: 和歌山県伊都郡高野町高野山132
URL: http://www.koyasan.or.jp/
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