ことしは団塊の世代のすべての人が75歳以上となり、日本の人口の約5人に1人が後期高齢者となる。「2025年問題」ともいわれ、日本の超高齢社会はまた新たな局面を迎える。超高齢社会の医療。自宅で治療を受ける在宅医療のニーズが高まっていく中、体制を整備していくことはできるのか。東京都内に住む80代の女性は、心不全などの持病を抱えているが、住み慣れた家で過ごしたいと、病院や施設ではなく、自宅での療養を選んだ。心臓に負担がかかるため、病院に通うことができず、在宅医療を受けている。田代和馬医師は6年前、病院の勤務医から在宅医に転身した。田代医師は「在宅医療を始めたのは2025年を見据えて。責任ある在宅医療が必要」と語った。在宅医療を受ける後期高齢者は今後、大きく増えると推計されている。1日当たりの患者数は、ことし7万9000人と、5年前より1万人以上増加(厚生労働省などの調査)。さらに2040年には9万8000人余にまで増えると見られている。背景には、最期を自宅で迎えたいという人が増えていることもある。
在宅医・田代和馬医師が先月診療を行った80代の女性。家族と一緒に暮らしたいと在宅医療を選び、先週自宅で息を引き取った。田代医師が看取りを行い、老衰で穏やかな最期を迎えたという。高まる在宅医療のニーズ。一方でそれを支える医療体制はぎりぎりの状態が続いている。田代医師のクリニックでも、開業した6年前と比べて患者は約10倍に増加。さらに最近増えているのが、1人暮らしで身寄りがない人など社会的な課題を抱える患者への対応。認知症の75歳の男性は、診療だけでなく、日々の食事や介護サービスの確認など生活にも気を配る必要がある。田代医師は「地域には医療的、社会的に課題を抱えている人が非常に多い。支えきるだけの介護的、医療的な職種の人も十分とはまだ言えない。医療が近い将来、崩壊しかねないのでは。危機感を日々募らせている」と語った。
在宅医・田代和馬医師が先月診療を行った80代の女性。家族と一緒に暮らしたいと在宅医療を選び、先週自宅で息を引き取った。田代医師が看取りを行い、老衰で穏やかな最期を迎えたという。高まる在宅医療のニーズ。一方でそれを支える医療体制はぎりぎりの状態が続いている。田代医師のクリニックでも、開業した6年前と比べて患者は約10倍に増加。さらに最近増えているのが、1人暮らしで身寄りがない人など社会的な課題を抱える患者への対応。認知症の75歳の男性は、診療だけでなく、日々の食事や介護サービスの確認など生活にも気を配る必要がある。田代医師は「地域には医療的、社会的に課題を抱えている人が非常に多い。支えきるだけの介護的、医療的な職種の人も十分とはまだ言えない。医療が近い将来、崩壊しかねないのでは。危機感を日々募らせている」と語った。