米国の航空機メーカー・ボーイングは、労働組合との賃上げ交渉が難航し、先月中旬から組合によるストライキが続いている。ストライキは組合員3万3000人が対象となっていて、会社側が当初提示した賃上げの幅などについて、さらなる改善を求めてきた。組合員の中には、アルバイトで収入を補っている人も。ボーイングに部品を供給する企業には、大きな影響が出ている。ボーイングとの取り引きが全体のおよそ95%を占める航空部品メーカーは、売り上げが大きく減少。ストライキが続いた場合には、従業員の削減などを検討せざるを得ないという。日本企業への影響も懸念される。ボーイングによると現在、日本のパートナー企業の数は150社に上り、米国を除くと日本が部品などの調達で最大の供給国になっている。日本企業が生産の21%を担っている大型の777型機や小型の737MAXでは、生産スケジュールに影響が出ている。専門家は、ストライキが長期化すれば、影響がさらに広がるおそれがあると指摘する。ボーイング社は条件を見直し、賃上げの幅を4年間で35%に引き上げることなどを新たに提案。その賛否について、組合員を対象にした投票の結果が日本時間のきょう午前にも明らかになる見通し。