2021年5月、日本サッカー界に新たな歴史が刻まれた。プロレフェリーの山下良美さん。Jリーグの試合で女性が初めて主審を務めた。今年3月、Jリーグ担当審判員の合同トレーニングが行われた。そこに男性審判に混じって走る山下さんの姿が。早い展開にも動じず常に的確な判断をするため不可欠なのが体力。さらに審判員として必要とされるのはメンタル。そして、今年のAFCアジアカップ2023でも女性初の主審としてピッチに立った山下さん。男子の試合で笛を吹くたびに話題となった。ただ、その一方でプレッシャーを強く感じたという。女性審判として活躍を続ける山下さんの原点。山下さん「Jリーグが開幕したのがちょうど小学1年生の時。まさにその時にカズ選手(三浦知良)を意識して11番を背負ってサッカーしていました」。サッカーを始めたのは4歳の時。男の子の中に女の子一人、夢中でボールを追いかけた。転機が訪れたのは大学時代、サッカー部の先輩に誘われ審判としての第一歩。軽い気持ちで歩み始めた審判の道だったが、今や女性審判として日本サッカー史に刻まれる存在に。山下さんが思う女性が活躍する世界とは。「男性の試合に女性の審判員がいても当たり前になることが目指していることなので、それができるように、私も今いただいている機会を継続していく責任があるし、女性活躍という意味でも、目を向けてもらうことで何か変化があるなら、すごく嬉しいなと思います」。