アメリカと中国のあいだで起きている違法薬物の取引をめぐる問題を見ていく。問題となっているのは合成麻薬の「フェンタニル」というもの。がん患者などの鎮痛剤として使用される医療麻薬のことだが州によって違いがあるが、通常は医師が処方し免許のある薬局で購入する。これは違法ではないが、いまアメリカでは致死量のフェンタニルを含む違法な鎮痛剤がまん延しているという。この背景には中国が関わっているという指摘がある。フェンタニルを含む違法な鎮痛剤を製造しているのはメキシコ拠点の密輸組織だが、フェンタニルの原料となる化学物質を製造しているのは中国だという。米中首脳会談でフェンタニルを念頭として両国が麻薬取締班を設置することなどで合意したという。その見返りにとしてなのか、ウイグル自治区に対する人権侵害に加担していたとされる中国公安省の法医学研究所に対する規制を解除するのではないかとされている。阿古先生は中国側の狙いについて「中国側としてもこのような密輸がはびこるのは好ましいことではない。コロナの影響があり、医薬業界などに汚職がはびこっているとも言われている。」などと述べた。日中首脳会談は日本時間あす朝に調整されていて、実現すれば1年ぶりとなる。内容は原発処理水をめぐる日本産水産物の禁輸措置、尖閣諸島をめぐる問題、相次ぐ日本人の拘束事案など。阿古先生は注目ポイントについて「日本人のアステラス製薬の方は逮捕されてしまったので起訴されることは確実と言われているが、何らかの譲歩が引き出されないかというところ。それと水産物の禁輸措置も一部でもいいから解除してもらいたいというところ。」などと話した。