スーパーチューズデーでも強さを見せているトランプ氏。焦点はヘイリー氏がいつ撤退するのか、11月の本選挙の行方へと移っている。ヘイリー氏の支持者の多くが「本選挙で他の候補には投票しない」と答える中、トランプ氏の支持者に見られる変化も本選挙にどのような影響を及ぼすのか注目を集めている。その変化とはトランプ氏が勝利した2016年の大統領選挙と比べてトランプ氏の支持者に高齢で保守的な層が多くなっていること。これまでにニューハンプシャー州など3州で行われた候補者選びでアメリカの主要メディアが合同で行った出口調査などの結果のうち、トランプ氏に投票した人たちの立場を2016年と今年で比較した。年齢を見ると65歳以上の高齢者層が多数を占めている。一方で65歳以下はほぼ全てで減り、特に2016年に少なかった若者層はさらに少なくなっている。2020年の大統領選挙では若者からの支持が民主党のバイデン大統領の勝利に大きく貢献しただけにこの変化がどう影響するのか注目される。続いて政治的思想で見ると「大変保守的」と答えた人たちが大幅に増えた一方で「穏健」と答えた人たちが大きく減っている。トランプ氏は過激な発言や政策で共和党そのものを右傾化させてきたと指摘されている。ワシントン・ポストは「党が右傾化するのに伴い、トランプ氏の支持者もさらに右寄りに」と分析している。一方で本選挙で重要となる無党派層は右傾化した候補を嫌う傾向にあり、トランプ氏は無党派層や党内の穏健派から支持を得られるか注目。また、CNNは支持者の学歴に注目。2016年の選挙では大学を卒業していない人たちが卒業した人たちを12ポイント上回ったが、その差は今年少なくとも25ポイントまで広がった。共和党支持者には大学卒業以上で都市部郊外のホワイトカラーが多くいるが、こうした人たちはトランプ氏を好まない傾向が強く、本選挙で弱点になると分析している。トランプ氏の失言でトランプ党に変化したとも言われる共和党。伝統的な共和党を支持してきた人たちが本選挙でどのような選択をするのか早くも注目される。