先月行われた日本バスケ界最高の栄誉「B.LEAGUE AWARD SHOW」。その裏で日本代表メンバーがニック・ファジーカス(38)の元へ次々と挨拶に訪れていた。2メートル7センチの長身から繰り出される多彩なシュートを武器にBリーグ初代得点王にMVPを獲得。以降、数々のタイトルに輝くなど、リーグを代表する選手。日本に来たのは2012年。「現川崎ブレイブサンダース(東芝)」に入団。かつて、強豪と言われたものの前年の成績は芳しくなく、チームは低迷していた。ファジーカスの当時を知ってる者たちが口を揃えて言うのが、「フローター」。フローターは、利き手のみを使い、弧を描くようにシュート。ファジーカスの代名詞。それにより、低迷していたチームは強豪へ返り咲く。2018年W杯予選、日本は初戦から4連敗。当時、キャプテンを務めていた篠山竜青は、「ただのW杯予選じゃなくて、東京五輪の開催国枠がかかっていたので」と話す。東京五輪のとき、日本は開催国枠をもっていなかった。予選を勝ち抜くことで開催国枠を手に入れようとしていた。負ければ予選敗退となる5試合目。日本×オーストラリア。そんな時に現れたのがファジーカス。試合2ヶ月前に日本国籍を取得していた。日本は79-78でオーストラリアに勝利。ファジーカスは両軍最多25得点をあげていた。この試合以降もファジーカスは、日本代表を牽引。8連勝でW杯出場、東京五輪出場が決定した。ファジーカスが涙で語ったバスケ人生の集大成とは。