G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が日本時間の今朝、閉幕した。今回のG20の最大のテーマは、高いインフレを経て世界経済がソフトランディング(軟着陸)できるかどうかだった。共同声明では“ソフトランディングについて、良い見通しを持っている”という認識を共有し、“各国の金融政策も適切だ”と評価した。ただ、声明では“高い不確実性の中で、いくつかの下振れリスクが高まっている”と指摘。とりわけ高い関税をかけながら自国の経済・産業を守る「保護主義」の広がりで、世界経済が分断されることに強い警戒感をにじませた。出席した加藤財務大臣も会議のあとの会見で“保護主義は日本経済にとっても水を差しかねない”と懸念を示した。米国大統領選挙を間近に控える中で開催された今回のG20。かつて貿易政策を巡って米中が激しく対立し世界経済の大きなリスクとなったが、国際情勢、政治情勢が転換期を迎える中で行き過ぎた保護主義を抑え込むことができるのか、G20の結束力が再び問われている。