2020年7月、JKの西山夏実さんが監督を務める映画「今日も明日も負け犬。」の制作チームが初顔合わせ。原作・脚本はクラスメイトの小田実里さんが担当。病気と闘う西山さんの実体験が描かれている。完成した本を100冊限定でインターネット販売したところ即完売した。西山が闘う「起立性調節障害」は中学生の10人に1人が症状を持っているとされ、自律神経不調によって血の巡りに支障が出て、様々な症状をきたす。症状が重いと朝、目が覚めず、起き上がれない人もいる。根治治療はなく、補助的に症状を抑える薬を飲むしかないという。西山が発症したのは中学2年生の時。午後になると症状は軽減する傾向にあることから、怠けている、やる気がないなど周囲の無理解・無知に苦しめられるという。西山は映画館で上映して起立性調節障害への理解を広めたいと語った。映画監督といっても普段は普通の女子高校生。小学生の時から映像制作に興味を持ち、本やYouTubeで独学しながら遊び感覚で映像を制作した。映画「今日も明日も負け犬。」の制作チームはほとんど全員が女子高校生で学校や学年はバラバラ。インスタグラムの呼びかけで26人が集まった。衣装の準備・メイク・ロケ場所の確保も自分たちで行う。出演者もJK。中学時代の西山を演じる主演の菜々夏さんは高校のクラスメイト。友達だからこそ悩んだ部分もあったという。スタッフが高校生だけゆえの問題もあった。軽トラに乗って撮影したかったが、許可が下りず、西山が走って撮影することになったという。撮影した映像に納得がいかず、役所や警察署を何度も訪れてお願いして軽トラを使った撮影が許可された。撮影の合間にはSNSを更新し応援してくれる人も増えていった。同じ病気と闘う人からのメッセージも届いた。
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