北朝鮮は今年2月に外国人観光客の受け入れを再開し、ロシア人向けのツアーが開催されて定員100人に対し98人参加していた。先月も2回開催されたが、特に先月11日からのツアーは14人と大きく定員割れをしていた。アメリカのラジオ・フリー・アジアは人が集まらなかった原因を「度が過ぎた規制」としており、牧野さんが参加者から入手した手引きによると、ツアーに参加する前から北朝鮮のガイドブックなど「自宅に置いて行くべき物」が記載されていた。1日目は金日成広場など平壌の名所を訪問するツアーとなっているが、海外の携帯電話が使えない北朝鮮ではSIMカードの購入が必要で、購入者同士や国際電話は使えるが現地の北朝鮮人とは通話できない設定になっている。ツアーに参加した人によると、軍人や建設現場の撮影はNGや指導者の遺体が安置された施設を訪問する時はカジュアルな服装が禁止されるなどのルールがあり、指導者の写真が載っている新聞・雑誌は折り曲げてはいけないというルールもあるという。街の風景も人や車がほとんど無く、広告は一切なく掲示されているのは党のスローガンと旗で、外部の人に見せるためという感じだ。ホテルでも食事はビビンバ・冷麺などの朝鮮料理でチョコ・ナッツなどの持参を推奨している。また、ネットに繋がったパソコンからメールを送ることができるが、送信に1通約330円で大容量の場合は追加料金が掛かる。原則ガイド無しの外出は禁止で、北朝鮮市民は見慣れない人物が歩いているのを見かけたら必ず交番に報告する義務があるという。お風呂についても監視している人がいるため、女性が入るときは水着着用と牧野さんは話した。地方都市ではカフェやレストランのトイレにはトイレットペーパーがほとんど無く、お風呂のお湯の使用は朝・晩の決まった時間のみで、水が出ない場所もあり最悪の場合、電気も通っていない可能性もある。2~3日目はツアーの目玉の高級スキーリゾート訪問だが、コースごとに金属とプラスチックで作ったフェンスが設置されていてスキー客が誤って飛び込むと大ケガをしかねないという。お土産の購入場所は空港と平壌の2か所のみで、北朝鮮で買える物はプロパガンダが書かれたポスター約6000円など政治的なものばかりで、ようやく見つけたおもちゃも説明書が雑でブロックの質も悪かった。ツアー終了後もメインガイドと運転手にチップを渡すことを推奨し、観光スポットのガイドにはミニプレゼントを用意したほうがいいという。今後はスキーリゾート訪問は先月で一旦終了し、訪問先は政治的な場所ばかりになる。
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