堀井学衆議院議員の事務所などを、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで捜索した。堀井議員は自民党を離党した。特捜部は、違法な寄付の疑いがある香典などの原資や、事務所内の資金の流れなどの解明を進めるものと見られる。捜索を受けたのは、衆議院第二議員会館にある堀井議員の事務所と議員宿舎、それに北海道登別市にある地元事務所と自宅。関係者によると、堀井議員は2年ほど前、みずからが参列しない通夜や葬儀で、選挙区内の人に複数の秘書や家族を通じてたびたび議員名義の香典を渡していた疑いがある。公職選挙法は、政治家本人が参列してその場で渡す場合を除き、選挙区内の人に香典を渡すことを違法な寄付に当たるとして禁じている。選挙区内に住む60代の男性は、取材に「かつては“葬儀などに足しげく通う人”という印象があったが、前回の選挙で小選挙区で敗れたあと、活動のしかたが大きく変わった」と話し、「浮動票、若年層の票を取り込もうと、SNSの情報発信に注力していった。代わりにつあの姿をよく見かけた」と語った。堀井学衆議院議員は選挙区内で枕花も贈っていて、違法な寄付は合わせて数十万円分になる疑いがあるということだ。堀井議員は新聞のお悔やみ欄の情報などをもとに葬儀の日程を把握し、地元を離れているときも香典を渡す相手や金額について、秘書などからLINEで報告を受けたり、指示したりしていた。今回の疑い、特捜部は、自民党の派閥の政治資金を巡る捜査の過程で把握したと見られる。堀井議員は、自民党安倍派からキックバックを受けた2000万円を超えるパーティー収入を、収支報告書に記載していなかった。関係者によると、キックバックされた資金は、地元事務所でほかの資金と一緒に管理され、事務所の運営費などに使われていたという。特捜部は、香典などの原資や、事務所内の資金の流れなどの解明を進めると見られる。堀井議員は、強制捜査が始まったあと自民党を離党した。堀井議員の事務所は「検察の捜査には全面的に協力していく」としている。
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