渋谷にあるラーメン店の名物はMAXラーメン。チャーシューに味玉など人気のトッピングをずらりと乗せた、スープは豚骨醤油。コシの強い中部麺でいただく。今ラーメン店には逆風が吹いており、去年の倒産数は過去最多を記録。だがこの店はここ10年で18店舗を全国展開と勢いに乗っている。その名も横浜家系ラーメン壱角家。スープの味がしっかりしているためにメニューにはベジタブル家系。野菜トッピングが山盛り。食べ進めていくと、麺がない。これはスープの中には野菜のみ。糖質を気にする健康志向の客に受けているという。これまでのラーメンの常識にはない商品を生み出し、そのスープの秘密は、その素がある。他の家系ラーメンの店でスープ作りを見せてもらう。横浜の個人店が発祥の家系ラーメン。その最大の特徴は、豚骨などを数時間かけて煮込み、醤油とあわせたスープ。この一杯を職人が手間も時間もかけてつくる。しかし壱角家では提携する家系ラーメンの店から仕入れたものを寸胴の中でとかす。そこに、豚の背脂をあわせて煮込む。個人店では数時間かかるスープづくりが30分で完成する。調理工程は全店でマニュアル化してあり、職人でなくてもできる。そんな壱角家を生み出した会社は東京・新宿にある。ガーデンは2003年に外食企業に参入し、社員およそ300人、売り上げ高は153億円。その会社を率いるのは川島賢。川島は業績が不振だった、11の外食ブランドを引き継ぎ、ステーキの鉄板王国などを繁盛店に育て上げた。