ウクライナ支援を続けるNATO、北大西洋条約機構のトップに密着したノルウェー人映画監督のトミー・ギュリクソンさんの作品が完成した。去年10月までNATOのトップを10年にわたって務めたストルテンベルグ事務総長の最後の2年間に密着。今年3月に公開した映画ではNATOのトップを務める難しさとは何かが描かれているうえ、軍事衝突を続けるウクライナに対して冷徹な見方を示す幹部とのやりとりも描かれている。映画では兵器の支援が十分ではないと焦るウクライナに十分応えられないNATOのもどかしさも伝わってくる。今最も大きな課題となっているのがトランプ大統領との向き合い方。映画ではトランプ氏がかねてから求めてきた加盟国の国防費引上げについてNATO側が行動に移しトランプ氏から歓迎のメッセージが届くシーンも捉えられている。NATOは先月首脳会議を開き加盟国の国防費引上げとトランプ大統領の関心をつなぎ止めることに成功している。しかし軍事振興が長期化する中でどこまでNATOが今の結束を維持できるかは予断を許さない。その鍵は首脳同士の人間関係にかかっているとギルクソン監督は締めくくりった。ギルキソン監督が制作した作品はこの後2夜連続で「BS世界のドキュメンタリー」で放送する。