子どもの描いた絵をもとに作っているぬいぐるみを紹介。制作している工房が兵庫県芦屋市にある。依頼に応じて1つ1つ手作りをしている。ぬいぐるみを作ってほしいと依頼したそれぞれの家族の物語を取材した。3歳の女の子が祖父の家で描いたキリンの絵。「孫を驚かせるプレゼントを贈りたい」と祖父から依頼が届いた。「絵から飛び出してきた」と孫が大喜びするプレゼントになったという。40年前に子どもが描いた父親の絵。大切にリビングに飾り続けてきたが、色褪せてしまったためぬいぐるみにしたいという依頼だった。誕生日やクリスマス、成人のお祝いなど、これまでに3000個以上のぬいぐるみを制作してきた。代表の白石哲一さんは、自由な発想で描かれた子どもたちの絵を形にしてみたいと、ぬいぐるみ作りを始めた。ぬいぐるみを作る際、白石さんは絵に込められた思いを表現することを大切にしている。この日取り組んでいたのは、3歳の女の子が弟が生まれたことを喜んで描いた絵。顔がハートで表現されている。絵のイメージに合う生地を使ってパーツごとに縫い合わせていく。絵のイメージを壊さないよう、常に絵とぬいぐるみを見比べながら制作する。完成したぬいぐるみは、色の塗り具合や模様の数までそのまま再現されている。絵には描かれていない足の裏には、ハートの生地を使う工夫も施した。依頼した小田真美さんは、長女が描いた絵がぬいぐるみになることを心待ちにしていた。弟を思う気持ちが込められたぬいぐるみ。その気持ちをこれからも大切に成長してほしいと、小田さんは考えている。届けられたぬいぐるみを通じて、子どもの思いに触れることができたという人もいる。神戸市に住む渡邊木綿子さんは6年前、中学2年生だった息子の鳳究くんを病気で亡くした。困っている人を助ける会社を設立したいという夢があり、優しい人柄だったという。亡くなる半年ほど前に家族の連絡黒板にシンプルなイラストを描き残していた。依頼を受けた白石さんは、絵を描いた鳳究くんと依頼した渡邊さんの思いを、丁寧に形にしていった。受け取ったぬいぐるみは鳳究くん自身が制作した椅子の上に置かれている。絵にわずかに描かれていた手のような部分は、翼として表現されていた。ぬいぐるみを見るうちに、これまで気付かなかった鳳究くんの思いを感じたという。ぬいぐるみだからこその喜びも生まれた。白石さんは、ぬいぐるみが大切な記憶を繋いでくれるものになってほしいと考えている。
住所: 兵庫県神戸市中央区中山手通2-24-7
URL: http://www.nhk.or.jp/kobe/
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