深堀好敏さんは、40年にわたり、被爆直後の写真を収集してきた。被爆を経験していない人に、実相を伝えるためには、写真だという思いがあったからだ。収集した写真は、いまも、毎年長崎市で展示され、被爆の実相を伝え続けている。長崎市はおととしから、後世に伝える取り組みとして、アイディアを募り、補助金を支給する事業を始めた。写真に興味のある若者が被爆者を取材し、撮影するという取り組みもそのひとつだ。若い写真家が企画したもので、平和活動に興味のなかった若者が撮影を通して、思いに触れることができる点が評価されている。ことし、被爆者の平均年齢は初めて85歳に達した。若者の発想力などによって、継承の可能性を広げようという取り組みはこれからより一層求められる。