ことしのノーベル平和賞に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が受賞。社会部・富田良の解説。核兵器廃絶を願う被爆者の声を、唯一の戦争被爆国である日本から世界に発信し続けてきた地道な活動というものが評価された。これまで、国連の軍縮特別総会など、国際会議で被爆者は演説を続け、また世界各地で原爆の写真展などを開くなど、原爆被害の実相を伝えてきた。さらに被団協の活動は国際的な枠組みにも影響をもたらしていて、核兵器の開発や保有などを禁止する、核兵器禁止条約を巡っては、すべての国の参加を求める1370万人余りのヒバクシャ国際署名を集めて、2021年1月の発効につながった。受賞の背景に核兵器が実際に使われる懸念がかつてないほど高まっていることも背景にあると考えられる。