アメリカで急拡大しているのが予測市場。政治やスポーツ、エンタメなどあらゆる出来事の結果に多くの参加者がかけることで高い精度の予測が可能になるとされている。ウォール街でも活用が進む一方、最近では依存症など負の側面も表面化している。あらゆる出来事が賭けの対象になることは社会にどのような変化をもたらすのか。ニューヨークで先週、予測市場を運営するポリマーケットがユニークなイベントを企画した。初日の来場者は400人近く。彼らを惹きつけたのはニューヨーク初の無料食品店と名付けられた期間限定イベント。参加者はトートバック1個分に詰められる量の食品を無料で持ち帰ることができる。物価高が続く中、ポリマーケットの本社があるニューヨークの市民生活を支援するためのチャリティーイベントだという。2020年創業のポリマーケット。アメリカの金融政策からサッカーの試合まであらゆる出来事に賭けることができる仕組み。転機となったのが2024年の大統領選。各種世論調査が接戦を予想する中、ポリマーケットはトランプ氏の勝利をほぼ正確に予測したことから、一気にその存在が知られるようになった。ポリマーケットに代表される予測市場の精度を支えるのが利用者の本気度。将来を正確に図る役割に期待が集まるポリマーケット。ニューヨーク証券取引所の親会社から最大20億ドルの出資を受けるほか、大手報道機関ともデータの提供契約を結んでいる。しかし、急拡大に伴い深刻な課題も。先月3日にかけポリマーケットで「ベネズエラのマドゥロ大統領が1月末までに退陣するか」との問いに対し、ある利用者がYesに3万ドル投入。直後にマドゥロ氏が拘束されたことで、この利用者は41万ドルの利益を得ることになった。攻撃を事前に知っていた政府関係者などによるインサイダーの可能性があるのではと指摘されている。こうした中、ニューヨーク州では予測市場が明確な賭博行為だとして規制を目指す動きもみられる。予測市場に厳しい目が向けられつつあるなかオープンした無料食品店。
