きょうのギモン:“熟年離婚”の割合 過去最高?。厚生労働省の人口動態調査による離婚件数の推移を紹介。2002年に約29万件あったのをピークに減少傾向にあり、一昨年は約18万件と4割ほど減少している。一昨年の件数を同居期間別に分けると、5年未満での離婚が約5万3000件で最も多い。注目は20年以上のいわゆる”熟年離婚”が約3万9000件。熟年離婚の件数は1998年以降高止まり。熟年離婚の割合の推移を紹介。同居期間不詳を除くと2008年以降増加傾向。一昨年は全体の23.5%で統計開始の1947年以降で過去最高値に。後藤千絵弁護士によると、熟年離婚の相談件数は増加していて、子育てが落ち着いた女性からの相談が多いという。背景にあるのは女性の社会進出・モラハラなどへの認識。特に大きな背景が高齢化。仕事をリタイアしてから夫婦で暮らす時間が伸びたことで将来への希望が感じられない人が増えたという。中には「相手の介護が想像できない」という理由も。更にコロナ禍では外出制限やリモートワークで夫婦が一緒にいる時間が増えた。それにより老後の生活をイメージしやすくなりネガティブに。更にコロナ禍で消毒などの対策や人付き合いの制限など価値観の違いが浮き彫りになることも。そして熟年離婚の相談者で増えているというのが相手の言動が原因で体調不良になっている人。実際に原因不明だった症状が別居で解消も。離婚時にトラブルになるケースもある。熟年離婚では子供が成長して独立している家庭も多く、一番多いのが家の取り合い。また、退職金の分割などで揉める事もあるという。後藤弁護士は経済的な問題のシュミレーションが大事と指摘。例えば年金の分割制度。以前は専業主婦の妻などが離婚後に基礎年金しか受け取ることができなかったが、「離婚時年金分割制度」では夫の厚生年金を夫婦で分割して受け取ることができるように。また、大事なのが子供の援助を受けられるかどうか。更に離婚すると老後に孤独を感じるかもしれないということもイメージして本当に離婚して良いのか考えることも大切だという。後藤弁護士は離婚せずとも互いに干渉せず暮らせるように別居するという選択肢も一つだと指摘している。