共和党も一枚岩ではない。実は党内にも反トランプの動きがある。今週、共和党大会の会場周辺を走っていた広告宣伝車。トランプ氏の発言はうそだと批判するCMは、共和党員それも過去に政権中枢を支えた人たちが立ち上げたリンカーンプロジェクトによるもの。なぜ身内であるはずのトランプ氏を批判するのか。プロジェクトの幹部はトランプ氏の手法は従来の共和党のやり方ではないと批判する。リンカーンプロジェクト・ライアンウギィンズさんは「従来の共和党は伝統的家族観や道徳的秩序を重んじる党だった。共和党と民主党がうまくいかなくても妥協点は見いだせた。健全な政党ではなく民主主義ではない専制政治に変わろうとしている」。共和党では銃撃事件を受け団結する機運が高まっているというが「トランプ氏は正真正銘の嘘つき。事件後団結へ動くわけがない。米国の民主主義を分断に導く本当にひどい人」と語った。明海大学・小谷哲男教授は「今後の共和党は伝統的な考え方から更に離れていくだろう」と見ている。小谷教授は「前回トランプ氏は副大統領にマイクペンス氏を指名した。伝統的なレーガン、ブッシュ時代の共和党を代弁するような政治家。伝統的な共和党員を安心させようとした。今回はバンス上院議員を副大統領候補に指名した。バンス上院議員は伝統的な共和党員ではない。共和党はトランプ党になっていく」と語った。トランプ氏とバンス氏の政権がもし誕生するとすれば、その後のアメリカは?。小谷教授は「トランプ氏は分断をうまく活用して1期目の大統領になった。分断をあおる政治スタイルを維持するのか、それを改めていくのか、見極めていく必要がある」と述べた。