ブレイクスルー (ブレイクスルー)
今回の現場は仙台市内にある東北大学。寿命100年の充電池を目指す3DCの黒田拓馬CEOに話を伺う。黒田氏が新たに開発した炭素素材の「GMS」には、3つの特徴がある。1つ目は電池の変形を防ぐ役割。今年1月、韓国で発生した航空機火災はモバイルバッテリーの発火が原因とみられている。充電や放電で高温になると電池内の物質が膨らみ電池が変形。漏電することで火災に繋がるが、GMSはこれを防止出来るという。GMSはは中が空洞の3時げん炭素素材でクッションの役割を果たす。柔軟性により発火の危険性を抑えるだけでなく、電池の寿命も延ばすことが出来る。
2つ目の特徴は酸化を防ぐ。充電能力の低下は、繰り返し使うことで電池内の炭素が酸化して劣化することが原因の一つ。充電池の寿命はスマホなら約3年、EV用は約8~10年と言われている。しかしGMSは化学反応に強い素材で、酸やアルカリなど科学的に悪さをする物質との反応性も低い。3つ目の特徴は高出力。従来はリチウムが電池内で移動をする際、様々な物質を避けながら動く必要があったが、GMSは中が空洞のためトンネルのような役割を果たし、リチウムが素早く動けるようになり放電や充電の勢いも増す。
電池の寿命は従来の電池の2~3倍とみられるが、最終的には100年もつ電池を目指すという。自動運転技術が普及すると多くの電気自動車が1日中走り続けることになる。PCやスマホも大容量通信で消費電力は今以上に増加するとみられる。GMSの影響について黒田拓馬は「電池が数倍早く充電出来て寿命が長くなる実用化は2026年中にワイヤレスイヤホンなど小さいものからスタートする予定。」などと話した。