ワールドビジネスサテライト (ニュース)
5年前の今日、国内で初めて新型コロナワクチンの接種が行われた。使われたのはアメリカのファイザー製のワクチンで当時、世界的なワクチンの獲得競争が起こり国産ワクチンの重要性が高まった。東京・北区にあるクリニックのバックヤードにある冷蔵庫にはアメリカファイザー製のものと昨年度から一般的に流通し始めたという武田薬品工業のワクチンの2種類が保管されていた。国内で新型コロナワクチンの接種が始まって5年。この冬は新型コロナの大きな流行もなく前のシーズンと比べ接種する人が少なくなっている。一般的に接種希望者が減少する中、課題となっているのが在庫リスク。2023年5月に感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ5類感染症に変わり感染対策などが緩和された新型コロナ。ただ、2024年の国内の新型コロナによる死亡者はおよそ3万6000人でインフルエンザのおよそ12倍に上っている。現在、ワクチンの定期接種は65歳以上の高齢者や60歳から64歳で心臓などの機能に障害がある人が対象で年に1回行われる。日本感染症学会などは高齢者における重症化死亡リスクは依然として高く、ウイルスの変異も続いているなどとして定期接種を強く推奨するとの見方を示している。
2024年度の定期接種からワクチンを供給しているMeiji Seikaファルマは世界で初めてレプリコンワクチンを実用化。細胞内でメッセンジャーRNAが自ら増えることで従来のワクチンよりも少ない量で免疫反応が得られる仕組み。新型コロナワクチンの開発ではアメリカのファイザーなど欧米の企業が先行し国内メーカーは後れを取った。いつ起こるか分からないパンデミックに備えて巨額の投資をするのは難しくいかに普段の事業と両立するかが課題になる。そこで国が推し進めるのがデュアルユース。平時には抗菌薬などの医薬品を製造しパンデミックが発生したときにはワクチンの生産に切り替えます経済産業省はおよそ3200億円規模のデュアルユース補助金を創設。MeijiSeikaファルマはこれを活用し神奈川県小田原市にワクチンの生産能力を持った新しい工場を建設中。こうした施設は全国で整備が進んでいて国は2028年度までに多様なワクチンを国内で生産できる体制を整える計画。ただ、永里社長は工場を作るだけではなく人材の教育なども平時から進めることが重要だと指摘する。
