国際報道 (ニュース)
オランダでは花だけでなく野菜の生産も盛ん。オランダの国土は九州ほど、農地面積は日本の4割ほどだが、農産物輸出額は世界3位と高い生産性を誇る。輸出を支えているのが大規模な温室。特殊な環境で育てられているのはミニトマト。オランダの施設園芸企業が開発した最先端のトマトの完全自動システムでは、湿度・光の強さ・水やりなど全自動で行う。高さ約40センチの品種をあえて開発し、15週サイクルで年中収穫が可能。この企業はおととし、高い技術力に目をつけた日本企業に買収された。農業分野に進出している大手自動車部品メーカー。日本のものづくり技術とオランダのノウハウを合体させ、生産性を上げる新たな取り組みをはじめた。オランダは狭い国土でも農業を発展させようと生産性向上に国をあげて取り組んできた。1980年代以降、スペインなどから安価な農産物が流入する中、政府・大学・企業が連携し付加価値を高める戦略にかじを切った。オランダの農業企業などがいま熱い視線を送っているのが日本。大阪・関西万博の会場で行われたシンポジウムには、約30の企業や研究機関などに加え政府高官も来日し、日本との連携に期待を示した。パネルディスカッションではオランダ企業がAI活用の画像認識技術で作物検査の労働力を大幅に減らした事例などを紹介。日本はオランダと比べ山間部が多いなどの理由で大規模な温室の建設が難しい地域もあるという課題が議論された。オランダの技術は人手不足・気候変動の課題を抱える日本の生産者にも解決策を提供できるという。