TBS NEWS (ニュース)
入学して10か月、給食の時間はやっぱり自然と笑みがこぼれる。この日のメニューはたっぷりの野菜が入ったキャベツのスープ煮に、いちごジャムつきの白パン、ミートポテトのチーズ焼き。元気いっぱいにおかわりする子も。この小学校で給食の管理を行っている佐藤恵は、子供たちの見回りを終えたあと、机に向かって献立作りに。一転、笑顔が消えていた。佐藤を悩ませるのは物価高。安い食材への変更を余儀なくされている。献立の工夫だけでは物価高に追いつかず、川崎市の小学校では今年4月から月額4600円から5400円に値上げする。値上げで予算は増えるが、佐藤さんは、すぐそれを物価高が追い抜いてしまうのではないかと不安に駆られている。国会では、この給食を巡って動きが。新年度予算案を巡り立憲民主党は今日、今年4月から全ての公立の小中学校で無償化を実現することなどを盛り込んだ修正案を提出。これに対し、政府は2026年度から小学校で無償化する方針を示していて与野党による議論は続く。ただ栄養教諭・佐藤恵さんは「予算がきちんとつかなければ質の良い給食につながるかは疑問だ」という。保護者たちからも不安の声が。既に約3割の自治体で行われている給食の無償化。専門家は「全国一律の無償化は自治体間の格差の解消につながる」と歓迎するが、物価に合わせて毎年、予算を見直す必要があると指摘する。子供の成長には欠かせない学校給食。現場の実情に応じた政策の在り方が問われる。