モーサテ きょうのマーケット
きょうの為替相場の見通しについて三菱UFJ信託銀行NY・横田裕矢が解説した。横田の予想レンジは143.00円~144.20円。横田は「昨日はトランプ関税に関する報道や中東情勢絵を巡りドル円相場は143円台前半まで下落。本日も警戒感が高くドル円は143円台を想定」と話した。きょうの注目ポイントは、アメリカの企業の採用意欲と利下げ動向。アメリカの雇用環境について横田は「先週公表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回り急速な雇用悪化に対する懸念は後退した印象だが、過去2カ月分の数値は大きく下方修正され、新規失業保険申請者数などの指標も増加傾向にあることから先行きには不安感が残る。失業率は4%台前半で安定していてFRBは様子見姿勢を維持できる状況にあると言えそう」と語った。
雇用の現状について横田は「企業の採用意欲と過去の失業率を比較すると、企業の採用意欲は2022年にピークを過ぎ下げ続けている。採用意欲が急減する中でも失業率は安定しているが、数値が1を割り込むと失業率は急激に悪化する懸念があり先行きを注意する必要がある」と話した。先行きについては「雇用の先行き指標は2025年に入り再び軟化の兆し。トランプ関税の影響を見極める目的から新規雇用に慎重な姿勢がうかがえる。速報性の高い雇用指標の悪化と新規採用に慎重な姿勢は近い将来の失業率悪化に繋がる懸念があり、FRBを利下げに踏み込ませる内容となりそう」と語った。今後のドル円相場については「年内2回の利下げを見込んでいるが、失業率に悪化の兆しが確認できるまではFRBが様子見姿勢を維持することが考えられ、月内は142円超の推移を予想。トランプ関税の影響が判明して以降に失業率の悪化の兆しが出た場合は利下げトレンドの再開がドル円相場を下押しすると考えられる」などと述べた。