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四国では、世界から巡礼者が殺到している。お遍路は、弘法大師・空海にゆかりのある1~88番まである札所を順番にまわる順打ちが基本だが、閏年は、88番から反対にまわる逆打ちをすると、ご利益が3倍になると言われている。実家が京都の寺だという松本さんは、デリバリー配達で、旅の資金を稼ぎながら、お遍路に挑戦するという。88番札所から87番札所への道のりは、お遍路でも有数の難所で、松本さんは、山道を約4時間歩き、初日でお遍路を断念した。装備を改めて出直すという。フランスから来たステファニーさんは、仏教の教えに興味があり、逆打ちお遍路に挑戦していた。一緒に歩いていたフランソワさんは、6回目のお遍路で、お遍路の魅力を世界に発信するため、フランスの新聞で同行者を募集し、そこにステファニーさんが応募したという。ステファニーさんは、お菓子を手渡し、順打ちのお遍路さんと交流していた。これも、逆打ちならではの魅力だ。衛門三郎という欲深い男が自宅を訪れた托鉢僧を追い返したところ、不幸に見舞われた。その托鉢僧が空海で、衛門三郎は謝罪しようと、四国巡礼を始めたが、空海には会えなかった。そこで、逆に巡礼したところ、空海に会うことができ、それが、旧暦の閏月だった。それ以来、閏年に逆打ちをすると、よりご利益があると信じられるようになったという。ステファニーさんらは、4番札所の大日寺に到着した。住職のはからいで、お堂を見学した。
徳島県の雲辺寺で、台湾からの6人グループが出会ったのは、お遍路を102回まわったというベテランだ。6人組は、納経所で、台湾大地震への募金箱を目にして感極まっていた。徳島県で遍路宿を営む角田さんは、70代の2人の宿泊者が山道でルートを間違え、迷ってしまったため、車で迎えに行ったが、約束した場所に、2人はいなかった。車を走らせていると、2人を無事に発見した。宿とは逆方向に歩き、道に迷ったという。お遍路さんが増えていることし、こうしたトラブルも少なくないという。宿も不足していて、イタリアから来た家族は、40日中、半分は野宿するという。逆打ちお遍路を続けるステファニーさんらは、4番札所の大日寺を訪れた。住職のはからいで、お堂の中を見学した。画家だった先代の住職が描いた仏画には、江戸時代に流行ったとされる、フランス国旗のような三色が描かれていた。ステファニーさんらは、1番札所の霊山寺に到着し、逆打ちお遍路を終えた。1200キロの行程を49日間かけてゴールした。6回目のお遍路を終えたフランソワさんは、弘法大師と会えるまで続けるなどとした。