国際報道 (ニュース)
バリ島の観光地から離れた小さな村には、子どもたちがプラスチックごみを持ってくると、無料で英語などを学べる施設がある。約80人が通っている。教えているコマンさんは、大学院で学んだ後、リサイクル関連の団体を立ち上げ、現在は地元の大学で教員をしながら、施設を運営している。村は人口約2000人。貧しい人が多く、学校に通い続けられない子どもが後を絶たないという。大量のゴミも問題となっている。2つの問題を解決するべく、コマンさんは、子どもたちに勉強を教えたりリサイクルの知識を伝えたりする学びやをつくることを思いついた。施設で使っている机も回収したペットボトルでつくられていて、知識だけでなく実践を通してリサイクルの意義を伝えている。保護者たちも巻き込んで、プラスチックごみを使った絵や家具などの製作も行っている。コマンさんが運営する団体がネットで販売し、1作品あたり最大約1000円が製作者に支払われる。娘が施設に通っている家庭では、分別が家族の日課になっているとうい。月に数回、住民が自主的に村のゴミ拾いを行っている。コマンさんは、自ら各家庭に出向き、プラスチックごみの買い取りも行うようになった。去年、環境分野で最も権威のある賞が国から贈られた。大学などから講演の依頼も寄せられ、小さな村から始めた活動がほかの地域に広がり始めている。コマンさんは、今すぐごみをゼロにはできないが、簡単に続けられる活動だからこそ、確実に実現できると信じているなどと話した。