インド 民間企業で宇宙開発

2024年9月14日放送 6:34 - 6:41 NHK総合
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インドは宇宙開発の分野で近年、存在感を増している。5月に行われたインドの民間企業によるロケットの打ち上げでは全長およそ20メートルの小型ロケットの打ち上げ試験に成功した。ロケットは重さ300キロの人工衛星を軌道に乗せることを目指していて、成功すればインド初の商業ベースでのロケットの打ち上げとなる。打ち上げたのは、今インドの宇宙産業で最も注目されている企業。7年前に設立され、社員は250人余りに増えた。平均年齢は23歳。この企業を立ち上げたラビチャンドランCEOはアメリカの大学を卒業後、金融業界で働いていたが、インドでは衛星通信の需要が高まる一方で衛星を打ち上げる産業がほとんど育っていないことを知り、今こそ夢を実現するときだと起業を決意した。追い風となったのが4年前、宇宙分野で技術開発の活性化を図ろうと、インド政府が初めて宇宙産業への民間企業の参入を強く後押ししたこと。民間企業は政府から発射場の利用などの協力も得られるようになり、宇宙関連の民間企業はおよそ200社にまで急増している。ラビチャンドラン氏が目指すのは、低コストかつ短期間で製造できるロケットの開発。3Dプリンターを使うことで、部品の溶接など多くの工程を省くことができ、製造費用も10分の1に抑えることができる。安く迅速に衛星を打ち上げたい企業などからの需要に応えるため、将来的には年間25回の打ち上げを実現したいとしている。今回の打ち上げ試験の成功により、開発したエンジンは来年の商業化にメドがついた。
インドでは国が主導するだけでなく、ラビチャンドランCEOのように商業ベースで宇宙ビジネスに参入しようという企業は増えている。ラビチャンドランCEOの成功に憧れ、宇宙を目指す若者も増えている。先月、政府機関が首都ニューデリー近郊の大学で開いた宇宙産業についての講座では、宇宙ビジネスのアイデアを募るコンテストの実施が発表された。選ばれれば、起業に向けた資金援助や専門家などのサポートも受けることができ、参加した数百人の学生が高い関心を示していた。若いIT人材を多く抱えるインドならではの強みを生かせるかが、宇宙産業の今後の発展の鍵となりそう。インドは宇宙開発分野で先進国に追いつき、追い越すことが目標。日本とも月の水の資源の探査などを目的とする共同プロジェクトを立ち上げている。インドは2035年までに独自の宇宙ステーションを建設し、2040年までに有人月面探査を実現することを掲げている。


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ニューデリー(インド)ナレンドラ・モディ

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