大下容子ワイド!スクランブル NEWSドリル
スパイ防止法を巡っては自民党・日本維新の会との連立合意文書に盛り込まれるなど高市政権下で成立の機運が高まっている。合意文では今年中に法案の検討を開始し、来年に国家情報局と局長ポストを創設し、27年度末までに対外情報庁を創設するとしている。高市氏は8月のインタビューで法案について外国勢力によるスパイ活動を監視して必要があれば逮捕できる法律で、一定の実施要件下で行政通信傍受を合法化するべきだとも主張している。日本のスパイ対策については現状スパイ行為そのものを罰する法律が無く、外為法や出入国管理法などをケースごとに都度適用して対応してきた。2013年には当時の第二次安倍政権が防衛・外交など秘匿性の高い情報を特定秘密に指定して漏洩を厳罰化する特定秘密保護法を制定し、弁護士からは特定秘密保護法があるにもかかわらず新たな法案を設ける必要性があるのかについて疑問視する声も出ている。専門家によるとスパイ防止法は「監視主体の特定」、「監視手段の確立」、「スパイ交換」の3本柱で作られるとみられ、日本国内で外国のために働く組織を当該組織に通告してからデータベース化して通信傍受や仮想身分捜査による監視を行い、必要に応じてスパイ交換を行うものだとみられている。専門家は新規のスパイ防止法の必要性について「現行の特定秘密保護法では情報漏洩が発覚した後に動ける法律なので、その頃には諜報員が帰国しているなど対応が後手に回ることが予想され、新たなスパイ防止法を瀬底することで事前に情報漏洩を防ぐことにつながる」、「冷戦下のソ連諜報機関KGBの教育テキストで日本は逮捕の心配が無い国と明記されるなど、スパイにとっては相当緩い国だという認識を世界的に持たれているので、こうした法案は必要になってくる」など分析した。
スパイ防止法を巡っては1985年の中曽根政権下で最高刑を死刑として法案を国会に提出したものの、人権侵害リスクが極めて高いことや国家機密や漏洩行為の内容が曖昧であることなどを理由に世論の激しい反発を受けて廃案に追い込まれた。今回のスパイ防止法を巡っても弁護士からはプライバシー侵害のリスクがあるなど懸念の声が出ている。専門家は「今回は40年前と違って特定秘密保護法で機密情報が法的に定義されているので、以前のように違反の可能性のある情報の範囲が曖昧だということはない」、「法案成立については言論弾圧などではなく国の国益を守ることであるため、国会での議論を経て報道機関は基本的に監視対象にしないことや国会の委員会で情報機関を監視することなど透明性の高い法律にする必要がある」など話した。今日諸外国では多くの国がスパイ防止法を制定していて、特にアメリカは1917年に世界で初めてエスピオナージ法として制定した。最高刑は死刑で、2013年に国家安全保障局の機密文書を漏洩して起訴された元CIA職員のエドワード・スノーデン氏の例などで適用されている。専門家は「こうした法律は西側先進諸国ではほぼほぼ導入されていて、近年では罰則も強化されるなど国民に受け入れられている面がある」、「日本としても漏洩の事後的に対処する法律だけでなく、能動的に漏洩を防ぐ法律が必要」など話した。
