国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ヨーロッパではここ数年、移民に対して厳しい姿勢をとる極右や右派の政党が躍進している。ドイツでは連邦議会選で右派政党が躍進して第二党になった。フランスやオランダでも移民に排他的な動きが広がっている。ところがスペインでこうした動きに逆行するかのように移民を受け入れ経済の活力にしていこうとしている。スペイン・レオンにある建物の内装工事の現場で働いているのはアフリカ各地からきた従業員。この会社では従業員23人のうち20人が移民。社長のガブリエル・ランダズリさんは、大事なのは移民たちによく学んでもらうことだと話した。現在スペインは経済が好調。ユーロ圏のGDPの伸び率はフランスやドイツを大きく上回る3.2%を記録している。人口に占める移民の割合も増えている。スペインは去年秋、移民の受け入れ条件を緩和する政策を発表。スペイン研究機関のラファエル・ドメネックさんは「スペイン生まれの人達は減少している状況で移民に頼るしかない」などと説明した。NGOが運営するセンターは国内企業132社に移民190人を斡旋した。さらに職場でスムーズに活躍できるようご語学・技能サポートも行っている。カメルーン出身のブラディミル・ヤンバさんは、今では日常会話を自由にこなすまで上達した。支援センター責任者のドロレス・ケイロさんは「企業もセンターのことを理解していてここに来れば働き手がいることがわかっている」と語った。