ひるおび (ニュース)
USスチール買収をめぐる動きを時系列で紹介。日本製鉄がUSスチールを買収を発表したのは2023年12月。買収すれば世界3位の企業が誕生する見通しだった。これについては去年1月に当時のバイデン大統領が反対の声明を発表。そして今年1月には買収中止命令を発令。その後トランプ政権になり、買収については多少前向きになったかのように思われた。
5月30日、アメリカ東部ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外、USスチールの製鉄所で集会。トランプ大統領が労働者に向けて演説。トランプ大統領の演説の前には日本製鉄・森副会長「次世代の鉄鋼生産に向けたゲームチェンジャーになる日鉄はこれから巨額の投資をはじめる」など演説。また、USスチール・ブリットCEOは「トランプ大統領はUSスチールのために戦略的に大胆に行動し、米国の雇用と米国の取引、米国の強さを守るための日鉄とのパートナーシップを承認した」など演説。
5月30日、アメリカ・ペンシルベニア州IUSスチールの製鉄所でトランプ大統領は約1時間にわたり演説。トランプ大統領は演説の中で買収問題について「米国企業であり続ける。米国にコントロールされ続ける」「日鉄はUSスチールに140億ドルを投資。すべての高炉で10年間フル稼働を維持。全従業員に5000ドルのボーナスを支給。解雇も外部委託も一切行わない」など述べた。中林氏は今回の買収問題について「(日鉄側にも)もちろんうまみはある。世界の鉄鋼市場というのは日本だけでは成長しきれない状況。外に出ていくしかない。その中でもアメリカというのは非常に大きな要素を占めている。ましてやトランプ政権になって相当関税があがる話になってきている。そうすると、アメリカで製造してアメリカで利益を得ていくという図にならざるを得ない。しかし、日鉄としては(USスチールの)100%子会社化というゴールは変わっていないとおもう」などコメント。また、トランプ大統領が演説で鉄鋼関税50%を表明したが中林氏は「鉄がアメリカの安全保障であり国益でありシンボルであると、トランプ大統領の頭の中では固まっている。だからこそ鉄を守るんだということで50%という言葉出てきたようだ」などコメント。
日本製鉄のUSスチール買収をめぐる問題。日本製鉄と最終合意に至ったのかと質問されたトランプ大統領は「まだ、私が日本製鉄との最終的な合意をする必要がある、最終合意の内容はまだ見ていない」など述べて現時点では計画は承認していないことを明らかに。番組では、今後の日本製鉄による買収計画についての見通しを紹介。5月21日に対米外国投資委員会は、再審査の結論をトランプ大統領に勧告。期限まであと3日となっている。買収承認までに2つの関門があるのではないかと考えられている。まず1つ目は買収中止命令を破棄するということ。当時のバイデン大統領が、今年1月3日に「この買収計画は、国家安全保障を損なうおそれがある」として買収中止命令を出していた。買収が承認されるには大統領令で買収中止命令を破棄する必要がある。そして、もう一つは国家安全保障協定というもの。これは日本製鉄という企業とアメリカ政府が結ぶことになる。トランプ大統領としては国家安全保障協定を結ぶことで一定のコントロール下に置くと考えている可能性がある。中林氏は「同盟関係の日米でアメリカ政府と日本企業が国家安全保障協定を結ぶのは異例、今回は鉄鋼を重視するトランプ大統領仕様の協定」などコメント。また、今後の行方について中林氏は「トランプ大統領は日本製鉄を退けることはなさそうなので買収中止命令は破棄、国家安全保障協定を締結することを目指すのではないか」などコメント。