国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
アメリカとメキシコの国境の町であるアリゾナ州・ノガレスでは、トランプ政権の不法移民対策により国境を超える人が激減しているという。トランプ政権によると、メキシコからの国境を不法に越えてきた人は、1年前と比べ90%以上減少している。今月、アリゾナ州で国境警備に関するイベントが行われ、様々な監視カメラなどの機器が紹介された。会場には政権の大物が駆けつけ、不法移民対策の成果をアピールしていた。また、トランプ政権は国境警備強化だけでなく、不法入国者の国外追放にも乗り出している。根拠としているのは、1798年に制定された、戦時中に敵国出身者などを裁判手続きなしに拘束・国外追放できる「敵性外国人法」となる。トランプ政権は、200人以上をギャング組織のメンバーとして、エルサルバドル刑務所へ送り込んだが、人権団体からは「ギャングメンバー認定の根拠が明かされず、法的・人道的に問題がある」と批判が相次いでいる。また、ニューヨーク・タイムズも「ギャングとつながりがあると見られる人はごくわずかだった」と独自の調査結果を伝えている。今月、連邦最高裁判所は、エルサルバドルに強制送還された男性について誤りだったと指摘し、帰還支援を政権に求めている。しかし、これに対しトランプ政権は応じない方針だという。