ハンセン病の患者に“虹波”その実態は

2025年5月16日放送 7:27 - 7:36 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (特集)

「虹波」と呼ばれる旧陸軍が開発していた薬剤。戦時中この薬剤の臨床試験の対象となっていたのが、当時社会から差別を受けていたハンセン病の患者である。熊本の菊池恵楓園歴史資料館で一般公開されている虹波に関する企画展。学芸員たちが注目した資料が、患者の様子が記録されたフィルム。映像では投与して3ヶ月位内に回復したとしているが、医師など複数の専門家からは「鵜呑みにできない」との指摘が出ている。残された資料によると、薬は医学的リスクの高い方法で投与され、臨床試験のカルテ307例を調べていくと、副作用とみられる例は37あり、投与後に17人が死亡していた。菊池恵楓園の境園長によると、患者の人権がどう考えられていたか、実態を調査する必要があるという。
臨床試験が行われてからおよそ80年。松本常二さんは香川の療養所で虹波を投与された。虹波の投与後に高熱で意識不明になることもあったが、副作用を訴えても、聞き入れてもらえなかったという。臨床試験を主導していた陸軍が上層部にあてた報告書には、人体の増強が目的だと明示。ハンセン病の治療については言及がなかった。臨床試験の期間中、熊本の療養所に入所していたのは約1900人。療養所では全容を明らかにしたいと考えている。厚生労働省は「資料がみつかった菊池恵楓園と意見交換しながら、調査を迅速に進めるため、必要な予算の確保などを対応していきたい」と話している。


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