ブレイクスルー (ブレイクスルー)
東京科学大学病院で実際にSaroaを使用して、30代男性の肺の腫瘍を摘出する手術。手術を開始してすぐ力覚の効果が。アームの先端の器具にかかった臓器などの硬さや柔らかさを圧力から推定。それが医師の指に伝えられる。この日は見えない場所に腫瘍があったため、力覚を頼りに探す。3時間後、腫瘍を摘出して手術は無事成功した。Saroaは現在、全国7病院で導入されている。
ライバルに勝つためにはという問いに只野は「医療ロボットは高コストなのが大きな問題。我々は低コストで導入できることを開発の初期から意識した。」などとコメント。アメリカ製の手術ロボット・ダビンチは約2億5000万円で重さ約1トンだが、Saroaは約1億円で小型化、軽量化にも成功。大規模病院だけでなく、中規模病院への導入も考えている。
医師不足は普及の追い風との問いに只野は「ロボット手術によって医師不足の解消に貢献できる」と話した。さらなる開発も進んでいて、熟練医師がSaroaを使用したデータを取得し蓄積できる機能がある。只野が目指すのは手術ロボットの完全自動化。只野は「Saroaは動作だけでなく力の情報もとれるので学習データとして強み。課題は実際の手術データをどう集めるか」などと話した。