NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
取材に当たっている政治部・岩澤千太朗に聴く。トランプ氏の再登板を前にした一連の会議だが、日米と日米韓の首脳会談の狙い、これは何なのかについては「石破総理としては、これまでの政権が重視してきた日米や日米韓の緊密な連携を引き継ぎ、抑止力や対処力をより強化していきたい考え。北朝鮮が弾道ミサイル技術を向上させているのに加え、ウクライナとの戦闘参加などロシアとの急接近も指摘されているから。政府内からは、ロシアが核やミサイルの技術を北朝鮮に提供するのではないかという懸念も出ていて、米国の政権交代もにらんで、これに対峙する枠組みを確固たるものにしておきたいという狙いがある」。石破総理大臣は訪問先のペルーで日本時間の午前7時過ぎから中国・習近平国家主席と初めてとなる日中首脳会談に臨んでいる。建設的で安定的な両国関係を構築していくことを確認する一方、中国軍が日本周辺で活動を活発化させていることなどに懸念を伝えているものとみられる。日中首脳会談だが中国との課題が山積する中、進展はありそうかについては「日中間の課題や懸案は歴代の総理大臣による取り組みを振り返ってみても、初めての会談で大きく前進が見込めるほど簡単ではないと言える。石破総理としては、まずは主張すべき点を主張しつつも、経済など協力できる分野での連携を模索する、これまでの外交方針を踏襲し、相手の出方を探ることになると思う。一方で、ある外務省幹部は“中国はトランプ政権の発足で米国との競争が激しくなるのを見込んで日本に接近してきている。今が関係改善を図るチャンスではないか”と話している。こうした国際情勢が追い風となる中、このあと石破総理が会談の手応えをどのように説明するかに注目したい」。取材に当たっている中国総局・須田正紀に聴く。中国側の狙いというのはどこにあるのかについて、「中国は石破政権の発足をきっかけに共通の利益を拡大する戦略的互恵関係を改めて確認して、日本との関係安定化につなげたいとみられる。そうした意向をより加速させているのが不確実性を増す中国と米国の関係。中国製品に高い関税を課すと訴えてきたトランプ氏が再び大統領となることが決まって、貿易戦争と呼ばれた事態の再発への懸念が高まっている。さらに中国国内の景気の先行きは未だに見通せないままということもあり、外交関係者の間では“中国はせめて日本との関係は安定させる方向に向かってもおかしくない”という見方が出ている。しかし話を聞いた中国の専門家は“特に中国が核心的利益とする台湾や米国との関係を巡って日中の間で根本的なずれがある”と話していた。今回の会談は中国側にとっては関係の安定化を念頭に置きながらも石破政権の出方をじっくり見極める場になりそう」。米国・トランプ氏への注目が高まっているようだが、トランプ氏と石破総理の会談が調整中とのことだが、最新の状況はどうなっているのかについて、取材に当たっている政治部・岩澤千太朗に聴く。「現時点では確定していないが、日本側は南米での一連の日程のあと米国に立ち寄り、トランプ氏と会談できないか打診している。ただ政府関係者の1人は“まだ回答はないが、会談を要請している各国に断りの連絡が入り始めているようだ”と明かしている。また、外務省幹部は“8年前の安倍元総理の時とは状況が違い、落ち着いた環境で会談した方がよいかもしれない”と話していて、政府は今回実現しない場合でも、引き続き早期の機会を探ることにしている」。