NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
リオデジャネイロの市原記者に聞く。今回のG20はどんな成果があったか。貧困や飢餓への対策として食料安全保障などに取り組むグローバルアライアンスが発足するなどG20として一定の結束を示すことには成功した形。また首脳宣言の採択には全会一致が原則とされるが、議長国ブラジルは合意が得られたとして初日に発表した。ただ、文言の修正を求められる状況になる前に発表を急いだ面もあるとされている。19日の閉幕前にはロシアから出席したラブロフ外相がウクライナ軍が米国が供与した射程の長いミサイルでロシア領内を攻撃したとして米国やウクライナを非難するなど溝が深まっているのが実情。来年1月には米国のトランプ次期大統領が就任するが、G20各国にとってはどのような影響があるか。大きな影響を受ける課題の1つが気候変動の問題。今回のG20でも首脳宣言で結束して取り組んでいく方針が改めて確認された。しかしトランプ氏がこのところ相次いで発表している次期政権の閣僚人事からも、化石燃料を増産する姿勢が改めて鮮明となている。さらに1期目と同じように温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定からも離脱すると見られている。気候変動以外の分野でも米国第1主義を掲げるトランプ氏が立場の異なる国々と地球規模の課題の解決にどこまで協調するのかは見通せない。今回のG20でもトランプ氏との関係の近さをアピールするアルゼンチンのミレイ大統領が首脳宣言の一部の文言には同意しないなど強気の姿勢を見せていて、早くも多国間で足並みをそろえていく難しさがあらわになっている。