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中国の李強首相は、きょう、訪問先のオーストラリアでアルバニージー首相と会談し、意見の隔たりがある安全保障などの分野についても、対話を通じて関係の安定化を図ることで一致した。会談のあと、両首相は、貿易や気候変動、それに観光などの分野で協力を強化する、5つの覚書の署名に立ち会い、来年も会談を行うことで合意した。共同記者発表では、アルバニージー首相が、中国がオーストラリアからの輸入品に課していた高い関税を撤廃した意義を強調し、李首相も世界のサプライチェーンの安定をともに守ると述べ、経済分野で協力関係を強化する考えを示した。一方、両国が対立する安全保障などを巡ってアルバニージー首相は、軍どうしのコミュニケーションの改善などについて、意見を交わしたとしている。李首相は意見の隔たりのある問題について率直な意見交換を行い、適切に管理すべきだと述べ、対話を通じて関係の安定化を図ることで一致したということだ。また、李首相はきのう、南部アデレードの動物園を訪れ、ジャイアントパンダ2頭を新たに貸し出すことを明らかにした。両国の関係は、新型コロナウイルスの発生源の調査を巡って悪化していたが、中国としてはオーストラリアとの関係を改善することで、同盟国の米国をけん制するねらいがあると見られる。