視点・論点 (視点・論点)
急激な人口減少が今後の日本にとって大きな課題になっている。社会インフラは日々の暮らしを支える必要不可欠なしくみだが、一旦整備されると維持には固定かつ大きなコストがかかる。地域の人口が減少するなど社会環境が大きく変化した場合に、どのように維持するかが大きな問題となる。ハード面のインフラの多くでは老朽化が進んでおり、補修に多くの費用が必要になっている。一方で、都市の中では空き家や空き地が広がる都市のスポンジ化が進んでいる。上下水道なども1人あたりのコストが高まり、地域によっては負担が大きくなる。このような課題は人口減少の中で一層深刻になっていく。また、ソフト面のインフラに関しては、地方公務員のなり手が減りつつある。社会インフラの維持には人口減少を踏まえた、大胆な選択と集中が必要。
生活インフラは地域の人口規模に応じた仕組みへの移行が必須になる。地方都市を持続可能なものにしていくための取り組みにはコンパクトシティがある。実現には開発費用の負担や住民にどのようにして移り住んでもらうかなどの課題がある。自律分散型生活インフラでは、高い生活水準を維持しながら人口に依存しない地方づくりを行うことができるようになる。今後の人口減少にも柔軟に対応できる新しい形のコンパクトシティが重要になる。