クローズアップ現代 休診・手術数か月待ち…深刻化する“医師の偏在
地域の偏在に加えてさらに課題となっているのが、診療科の偏在。近年増加しているのは美容外科、減っているのが消化器・一般外科。診療科の偏在と地域の偏在が重なる二重の偏在が起きている地域では命に関わる危機的な状態となっている。
埼玉県秩父市にある民間病院。医師の偏在が特に深刻なのが外科。ピーク時には7人いた常勤外科医は2年前から2人に減った。年間の手術件数は約500件、7人いたときの倍近い件数に増えている。理事長で外科医の花輪峰夫さん76歳、一度は引退したが逼迫する現場の状況をみて復帰した。がんなどの手術に救急対応が重なることもあり、外科医2人だけではリスクがあるという。この病院の外科医の業務は外来、検査・手術、術後ケア、救急と長時間労働が外科医の担い手が増えない最大の理由とされている。
先月、花輪さんが向かったのは母校の日本医科大学。消化器外科の教授に秩父にきてくれる医師を工面してほしいと直談判した。秩父の患者は秩父で見るという地域完結型の医療を掲げてきたが花輪さんは夜間救急から撤退する決断をした。