伝統的企業の“異端児”が改革

2024年8月10日放送 10:31 - 10:36 テレビ東京
ブレイクスルー (ブレイクスルー)

真山が訪れたのは、千葉県市川市にある住友金属鉱山の研究センターだ。本日の開拓者は、住友金属鉱山で30年以上、新素材の開発を行う研究者・東福淳司だ。研究所の中を見せてもらうと羽毛を使っていない ダウンジャケット「ダウンレスダウンジャケット」があった。実はこのダウンジャケットは、次世代の車が集結する自動車ショーに登場し話題となった。羽毛を使っていないのにダウンジャケットと同じくらい暖かいという。なぜかというと住友金属鉱山が2005年に開発した新素材の”ソラメント”が入っているのだ。ソラメントとは、酸化タングステンなどを組み合わせた人工的な素材で、太陽光を浴びるとその熱を吸収し発熱する。そのため、生地にソラメントが練り込まれているこのダウンジャケットを着ると接する面が暖かくなるので羽毛がいらないという。
太陽の光は3つの成分に分かれる。1つは日焼けする「紫外線」・ウルトラバイオレットだ。もう1つは、人間の目で見ることができる「可視光線」だ。もう1つは、太陽の中に半分近く占めている「近赤外線」だ。この3つによって構成されている。「近赤外線」をソラメントに当てると即座に反応して、熱エネルギーに変換される。こんな透明なのに、どんなに薄い生地でも暖かくなる。真山がソラメントの”実力”を体験する。太陽光を模した光を当てて、およそ10秒でソラメント入りの手袋がサーモグラフィでもその差は明らかになるほど暖かくなった。
住友金属鉱山は、2000年代前半からソラメントを車や電車の窓ガラスに入れた商品を作ってきた。実は、ソラメントには熱の侵入を防ぐ遮熱の効果もある。太陽光を受けるとソラメントが入った窓ガラスは、熱を吸収して高温となるが車の中の温度は和らぐというわけだ。430年もの歴史をもつ住友金属鉱山。これまで、BtoB企業が相手だった。そんな中、ソラメントの可能性を感じていた東福は、会社に直談判した。”もっと多くの商品を作りたい”と。そこで目をつけたのが、アパレルだった。しかし大きな壁が立ちはだかる。


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