キャッチ!世界のトップニュース (ニュース)
先週、5年ぶりに首脳会談を行った中国・習近平国家主席とインド・モディ首相。両国は2020年に国境地帯で軍同士が衝突し関係が冷え込んでいたが、この会談で国境地帯の係争地の問題を解決する方策を模索することで一致した。こうした中、インドメディアは30日、インド軍関係者の話として中国とインドの両軍が係争地の一部で部隊の撤収を完了させたと伝えた。インド・シン国防相はこれからも和平交渉を続ける方針を明らかにしているが「インド軍の利益を念頭に入れている」と述べた。ともに核を保有するインドと中国の国境紛争の経緯と影響について。中国とインドの間にはヒマラヤ山脈で確定していない国境線が4000kmある。国境を巡る両国の対立は60年以上前からだが、2020年、ラダック州のガルワン渓谷で両軍が激しく衝突し一気に緊張が高まった。「アクサイチン」と呼ばれ中国が実効支配する場所は、インドでは「ラダック」と呼び現在も領有を主張する特別な場所。テントや監視所の設置を巡り対立した両国の兵士900人余りが石を投げたりくぎを打ち込んだこん棒でたたくなど、素手で殴り合う事態が起きた。この衝突で少なくともインド側で20人、中国側で4人が死亡した。死者が出たのは45年ぶりだった。以来、中国とインドの2国間関係は悪化しその後の衝突では銃火器を使用しない取り決めが破られたとして、両国が互いに相手を非難してきた。先週、合意したパトロールに関する取り決めの詳細はまだ公表されていないが、合意したこと自体が両国の関係が改善に向けた新たな段階に入ったことの表れであると専門家は指摘する。さらに先週、新興国の集まり「BRICS」の会議でロシアを訪問した中国・習近平国家主席とインド・モディ首相は5年ぶりに首脳会談を行った。