首都圏ネットワーク (ニュース)
神奈川県の知的障害者施設、津久井やまゆり園で元職員が入所者19人を殺害した事件からあすで8年になる。横浜市に住む土屋義生の息子は生まれて2週間後に髄膜炎を発症した影響で常に人工呼吸器を装着し寝たきりで生活している。番組が土屋親子に初めて出会ったのは4年前。事件を起こした元職員が裁かれた法廷でのことだった。土屋はそのころ息子のケアに専念するため仕事を退職、付きっきりで介護にあたっていた。事件をひと事と思えないと荘真君とともに法廷に通っていた。障害者と健常者がともに手を携えて生きていく社会は無理だという元職員の主張を否定しきることができず動揺した。ともに生きる社会は実現できるのか、悩み続けてきた4年間。少しずつ変化も出てきている。関わってくれる看護師たちも息子の表情やしぐさを読み取り支援に生かすようになってきた。4年の月日が流れ息子とともにきょうだいたちも成長した。3年前には弟も生まれた。ことばを交わすことも、一緒に自由に体を動かすこともできない。それでも4人のきょうだいはお互いを当たり前の存在として受け止めている。周囲の人たちの支えで荘真君は親の付き添いなしで学校に通えるようになった。家の外でほかの子どもたちとともに過ごすことが刺激になっている。息子はこの夏、これまでは難しかった学校のプールに入ることにした。この日は土屋も見学に訪れた。挑戦を皆で後押しするとベッドの上では動かない息子の手足が確かに動いていた。ともに生きる社会が実現できるかは分からない。それでも息子を中心に広がる人の輪に土屋は希望を感じている。